DISH STORIES 「赤蕪」
さまざまな季節でご提供しているコースの料理、一皿一皿にある物語をお伝えしていく
DISH STORIES(ディッシュストーリーズ)
今回は赤蕪です。
日本では、昔から馴染みのある食材で、白い蕪よりも少しほろ苦い味わいが特徴です。
コースで使用しているのは、埼玉県の陽子ファームさんの赤蕪で、
冬を前に、間引きしたものをいただきました。
以前の蕪は、皮が筋っぽく、硬かったので皮を厚く剥いておりましたが、
最近の蕪は生産者の方の努力のおかげで、皮ごとおいしく食べることができます。
皮目に細かく隠し包丁を入れ、塩とバターを揉み込んで
オーブンでゆっくりローストします。
この下処理の方法は、先日伺った和食の料理人が集まる講習会で、
習ったものです。
丁寧にした処理した赤蕪のローストには、
貝出汁に赤蕪のピューレを入れたほろ苦い泡のソースを。
食感のアクセントに旬の赤貝をサッとソテーしたものと、
山形県のもって菊という赤い菊をビネガーを使ったお浸しを合わせています。
昔と今では、食材の質も変わり、
それに合わせて調理法も変えなければならないと考えています。
今回は、改めて蕪と向き合い、多くの学びを得ることができました。